British inbasion                          

アメリカのロックンロール黄金期が終わると、ビートルズローリング・ストーンズを筆頭とするブリティッシュ・インヴェイジョンの時代がやってきます。

ビートルズのデビューは’62年ですが、アメリカでのレコードデビューは’64年。この年のエド・サリヴァンショーに出演した時の視聴率は何と72%です。ビルボードも1〜5位独占など、完全にアメリカを食っていました。
ビートルズは自分達で作詞作曲して自分達で唄っちゃうというグループでしたが、当時のロック・ポップス音楽界ではこういったスタイルはそれほど定着していなくて、ローリングストーンズのミック・ジャガーやキース・リチャーズなんかは、「ビートルズがやってるから」って自分達も詞や曲を書き出したみたいです。
ファッションはというと、ビートルズはマッシュルームカットにスーツ姿というキレイ目、優等生路線はどちらかというとバディ・ホリーに傾倒してる感じでした。ローリング・ストーンズは対照的に、伸ばしっぱなしの髪に普段着というスタイルで不良っぽさを打ち出していましたが、これは単なるプロモーションでした。しかし、ストーンズは不良を演じてたはずが、本当に不良になっちゃいました。ちなみにこの二つのグループは仲良しでした。

このビートルズとストーンズの陰に隠れてしまったかの感じですが、このころ他にも秀逸なバンドがいっぱいデビューしています。ビーチ・ボーイズ(アメリカ)はビートルズがデビューする前の年、’61年にデビューしてますし、’65年にはザ・フーやザ・バーズなんかもデビューしてます。
なかでも’64年デビューのヤードバーズなんて凄いメンバー遍歴持つバンドがありました。そう、かのエリック・クラプトンが在籍してたバンドです。もともとR&B色の濃いバンドでしたが、ポップス志向の曲をやりだしたのに嫌気がさしたエリック・クラプトンは’65年、よりブルースを求め脱退します。
で、ジミー・ペイジに白羽の矢が立つのですが、友人でもあるクラプトンに気を使ってか、イマイチ乗り気じゃありません。そこで、ジェフ・ベックに出番がきます。ジェフ・ベックはブルースでもポップスでも抵抗なく出来ちゃうので、当時のヤードバーズにもってこいでした。
その後ベーシストの脱退に伴いジミー・ペイジが加入し、曲もそれなりにヒットするし、映画なんかにも出演したりして一見順調にいってるかのような感じでしたが、実はメンバー同士の仲は最悪で、’66年、ジェフ・ベックが脱退し、続いてヴォーカルとドラムスが脱退。ベーシストも脱退し、とうとうジミー・ペイジ一人になります。
しかしこれがレッド・ツェッペリンの誕生になり、時代は初期ハードロック、サイケデリックへと移行していきます。
この頃から「ロックンロール」は「ロック」と呼ばれるようになりました。